茂木 大輔 (指揮)

茂木 大輔 (指揮)

1959年東京生まれ。国立音楽大学器楽学科卒。在学中より新星日本交響楽団団員。1981年ドイツ・ミュンヘンに留学し、85年ミュンヘン国立音楽大学マイスターコース修了。同時に同大学の講師となり、多くのドイツ人学生を教えた。

オーボエを、梅原美男、丸山盛三、G. パッシンに師事。ヨーロッパではインゴ・ゴリツキ、宮本文昭、モーリス・ブールクの各氏にもレッスンを受ける。

ソリストとしてスロヴァキア合奏団、ミュンヘン宮廷管弦楽団、ミュンヘン・バッハ・コレギウム、ミュンヘン・バッハ管弦楽団、シュトゥットガルト室内管弦楽団に客演。また客演首席奏者などとしてバンベルク交響楽団、ミュンヘン・フィル、ベルリン交響楽団、ハノーファー放送交響楽団等、多数の団体に参加。

1982年よりヘルムート・リリンクの指揮するシュトゥットガルト・バッハ・コレギウムのメンバーとして世界各地を演奏旅行するとともに、「バッハ教会カンタータ全曲録音」に参加。また5年間に渡り、シュトゥットガルトにおける夏期バッハ国際講習会・音楽祭に参加。以後バッハ音楽、ことにオラトリオの分野に深く共鳴し続けている。

1987年、シュトゥットガルト・フィルハーモニー管弦楽団に入団、第1オーボエ奏者をつとめる。ここでも、カーネギー・ホール、日本など世界各地で公演、録音などにも参加する。こうしたなかで故バーンスタイン、アーノンクール、故シュタイン、デュトワ、エッシェンバッハ、故ロヴィツキ、故ヨッフム、ヨーヨー・マ、故ポップ、ホリガー、ニコレ、トゥーネマン、フィッシャー・ディースカウ、ペーター・シュライヤーなど、世界的演奏家と数多く共演し、薫陶を受ける。

1990年N響に入団して帰国。以後首席奏者をつとめている。

国内においても、ソリスト、室内楽の奏者、企画者、指揮者、作曲家として幅広く活躍。ことに、N響定期におけるモーツァルト「協奏交響曲」のソリスト、1995年の「茂木大輔スーパーリサイタル」、96年の「茂木大輔木管歌劇場」、97年の「ロマンティック・モーツァルトリサイタル」、宮崎国際音楽祭におけるアイザック・スターンとの共演、98年の「イタリアンリサイタル」、アルゲリッチ音楽祭(別府)におけるイブリー・ギトリスとの共演(バッハ)、カザルスホールにおける「バッハ協奏曲のゆうべ」などが代表的。

1998年からは、三鷹市芸術文化ホールにおいて、自ら企画、進行、指揮にあたる「オーケストラ人間的楽器楽コンサート」を開始。3年間、合計9夜にわたって大きな成功を収め、2000年には富山、新潟に於ても公演するなど、全国的にも展開しつつある。

時期を同じくして、山口県岩国市の「シンフォニア岩国」岡谷市カノラホールなどにおいてもコンサートシリーズのプロデュースにあたり、ブランデンブルク協奏曲を独奏、指揮するなどの活動を展開。

2000年11月には「マタイ受難曲」入門コンサートとして全国3ヶ所で指揮、解説に当たる。今後、こうした指揮、解説、プロデュースを同時に行うタイプのコンサートが活動の重点となっていく予定。指揮者としても本格的に活動を開始している。

近年、指揮者としても本格的に活動を開始しており、2000年8月には愛知教育大学管弦楽団定期演奏会を指揮して好評を博した。また、同年12月31日には東京芸術劇場におけるカウントダウン・コンサートでは日本フィルハーモニー交響楽団を指揮し、ストラヴィンスキー「春の祭典」(抜粋)や、ガーシュイン「ラプソディ・イン・ブルー・」(ピアノソロ:山下洋輔)などの曲を演奏、好評を博した。

文筆活動にも精力的で、著書は6冊を数えいずれも好評を博しており、管楽器専門誌「パイパーズ」の連載は120回を超えて続行中。