時任 康文(指揮)

武蔵野音楽大学器楽科卒業後、東京音楽大学指揮科に学ぶ。
指揮を紙谷一衛、汐澤安彦両氏に師事。在学中より二期会、日生劇場、ヘネシーオペラシリーズのオペラ公演を中心に音楽スタッフ及び合唱指揮者として参加し、小澤征爾氏、秋山和慶氏、若杉弘氏、佐藤功太郎氏等のアシスタントを務めた。
1990年「東京の夏」音楽祭に於いて、カールマン作曲オペレッタ「チャールダッシュの女王」を指揮してデビュー。その後、数々のオペラ団体と共に、「フィガロの結婚」「ドン・ジョヴァンニ」「コジ・ファン・トゥッテ」「魔笛」「愛の妙薬」「椿姫」「リゴレット」「運命の力」「シモン・ボッカネグラ」「ラ・ボエーム」「トスカ」「蝶々夫人」「カルメン」「ヘンゼルとグレーテル」「夕鶴」「泣いた赤鬼」「こうもり」「メリー・ウィドウ」等を指揮する。
また、オーケストラへの客演も多く、東京交響楽団、東京フィルハーモニー、日本フィルハーモニー、新日本フィルハーモニー、新星日本交響楽団、東京シティ・フィル・ハーモニック、名古屋フィルハーモニー、大阪センチュリー交響楽団、神奈川フィルハーモニー、ニューフィル千葉、東京佼成ウインドオーケストラ、大阪市音楽団等を指揮し、好評を博す。
  平成8年文化庁派遣芸術家在外研修員として渡伊。イタリアオペラの巨匠ネッロ・サンティ氏のアシスタントとして、チューリッヒ歌劇場、アレーナ・ディ・ヴェローナ、メトロポリタン歌劇場、サンフランシスコ歌劇場等に同行し、研鑽を積む。
  2001年には、ウズベキスタン・カザフスタンに於いて、故團伊玖磨氏の意志を引き継ぎ、オペラ「夕鶴」を指揮。2002年2月には、新国立劇場小劇場シリーズでカール・オルフ作曲「賢い女」を指揮し、好評を博す。また同年9月には、東京オペラプロデュース公演にてV.ウイリアムス作曲オペラ「恋するサー・ジョン」の本邦初演、2004年にはオッフェンバック作曲オペラ・ブーフ「天国と地獄」の原語(仏語)での日本初演、2005年7月にはマルシュナー作曲オペラ「ヴァンパイア(吸血鬼)」の本邦初演を指揮。2007年1月には、シャンパルティエ作曲オペラ「ルイーズ」を原語初演、2010年1月にはジョルダーノ作曲オペラ「マダム・サンジェーヌ」、12月にはアルファーノ作曲オペラ「シラノ・ドゥ・ベルジュラック」の日本初演を指揮し、すべての公演に於いて高い評価を得る。(いずれも新国立劇場中劇場) 2012年3月には、愛知県芸術劇場に於いてヴェルディ作曲「マクベス」を指揮。2013年4月、ティアラ江東に於いてジョルダーノ作曲「アンドレア・シェニエ」を指揮、2014年10月にはジョルダーノ作曲「戯れ言の饗宴」を日本初演、2017年2月にはレスピーギ作曲、オペラ「ベルファゴール」の日本初演を指揮し、オペラ指揮者としての存在感を大いに印象付けた。
  現在、武蔵野音楽大学講師。二期会オペラ研修所講師。